強烈な大音量ラトルサウンドでシーバスの捕食スイッチを入れると噂の65mm5.9gの「トリックアッパー 65F」
「5.9gと軽いため強風時は飛距離が出ない」という評判は本当なのでしょうか?
この記事では「トリックアッパー 65F」の良かった・悪かったインプレを徹底解説します。
「トリックアッパー 65F」を購入しようか迷っている人の参考になれば幸いです。
トリックアッパー 65Fとは?基本スペック
トリックアッパー 65Fは、職業釣り師として名高い小沼正弥氏が監修した、食わせに特化したトップウォータープラグです。最大の特徴は、独自のカップマウスとボーン素材ボディが生み出す、集魚効果の高いサウンドとアクションにあります。
まずは、その基本スペックを詳しく見ていきましょう。
| アイテム名 | トリックアッパー 65F |
| サイズ | 65mm |
| 標準自重 | 5.9g |
| タイプ | フローティング |
| アクション | ダイブ&ウォーク、パニック |
| フック | #10 |
| リング | #2 |
| メーカー希望本体価格 | オープン価格 |
このルアーは、65mmという一口サイズながら、その内部には釣れる要素が凝縮されています。特筆すべきは「音」へのこだわりです。高硬度のボーン素材ボディに大径ラトルウエイトを搭載することで、水面を叩くような激しいサウンドと、重低音のラトル音を同時に発生させます。
また、立ち姿勢で浮く設計により、アクションさせた際にマウスカップが泡を噛み、小魚が逃げ惑うようなパニックアクションを演出。シーバスはもちろん、クロダイ(チニング)やメッキなど、フィッシュイーター全般に高い効果を発揮します。
さらに、ダイワ独自のテクノロジー「ADEL(アデル)」を採用したカラーもラインナップ。魚の皮を3D解析してホログラム化したこの技術は、生きている魚に近い輝きを放ち、視覚的にも強くアピールします。
トリックアッパー 65Fのカラーラインナップ
フィールドの状況やベイトフィッシュに合わせて選べる、実戦的なカラーが揃っています。
- Wゴールドレインボー
- マットライムチャートブラックベリー
- ミッドナイトムーン
- アデルピンクバックブラックベリー
- チャートコノシロサンド
- ライムパールサンド
- チャートバックパール
- 小沼スペシャル
- 小沼スペシャルVer.煌
トリックアッパー 65Fのインプレ:良かった点
実際にフィールドで使い込んでみて感じた、このルアーの強みについて詳しく解説します。結論から言うと、このルアーは「食わせの最終兵器」として非常に優秀です。
派手なアクションで魚を寄せるだけでなく、スレた魚に口を使わせるための繊細なギミックが詰め込まれています。
唯一無二の「引き波」とロールアクション
これがトリックアッパー 65Fの真骨頂であり、他のルアーにはない最大の武器です。ロッドを立ててゆっくりとただ巻きをすると、水面直下ギリギリの皮一枚下を泳ぎます。
この時、ボディが小刻みにロールしながら、水面にV字の引き波(ウェイク)を残すのです。この艶めかしい引き波は、まさに弱りきって水面を漂う小型のベイトフィッシュそのもの。
派手なスプラッシュ音や激しい動きを警戒する、ナーバスなシーバスやクロダイに対して劇的な効果を発揮します。静かな水面で、この引き波を出しているときに出るバイトは、音もなく吸い込むような深いバイトが多いのが特徴です。
高浮力を活かした「トリック」アクション(ダイブ&浮上)
名前の由来でもある「トリック」的な使い方が、釣果を大きく左右します。このルアーは非常に高い浮力設定になっているため、ロッドワークで「チョン」と潜らせても、瞬時に「ポコン」と水面に浮上します。
この「一瞬潜らせて、すぐに浮かせてポーズ」という動作が、魚の捕食スイッチを強制的にオンにします。水面まで出きらない魚に対し、視界から一瞬消えてまた現れる動きを見せることで、リアクションバイトを誘発できるのです。
移動距離を抑えてネチネチと誘うことができるため、杭周りや壁際などのピンスポット攻略にも最適といえます。
サイズ感の割に優秀な飛距離
65mmという小型ボディ、かつ固定重心システムでありながら、意外なほどよく飛びます。その秘密は、計算されたボディバランスとリア重心設定にあります。
キャスト時に飛行姿勢が崩れにくく、矢のように真っ直ぐ飛んでいくため、同クラスの小型トップウォータープラグの中では扱いやすい部類に入ります。
ただし、これはあくまで「無風〜微風時」に限った話です。風がない状況であれば、40m前後の飛距離を安定して出すことができ、小場所や運河筋では十分なアドバンテージとなります。
高いフッキング性能
小型のトップウォータープラグを使っていると、「バシャッと出るけど乗らない」という現象によく悩まされます。しかし、トリックアッパー 65Fはその悩みを大きく軽減してくれます。
浮き姿勢やフックポジション、ボディ形状のバランスが絶妙で、魚がルアーを吸い込みやすい設計になっているからです。ついばむような弱いバイトや、キスバイトのようなショートバイトでも、絡め取るようにフッキングが決まることが多いです。
貴重なバイトを確実にキャッチに繋げられる点は、トーナメンター監修ならではの性能といえるでしょう。
ベイトフィネスでもスピニングでも扱える汎用性
タックルシステムを選ばずに導入できる点も、大きな魅力の一つです。基本的にはMLクラスのスピニングロッドにPEライン(0.6号〜0.8号)のセッティングがベストマッチします。
しかし、近年の高性能なベイトフィネスリールであれば、5.9gという重量でも問題なくキャスト可能です。手返しの良さを重視してベイトタックルで攻めるもよし、飛距離と繊細さを求めてスピニングで扱うもよし。
自分のスタイルやフィールドに合わせて、柔軟にタックルを組むことができます。
トリックアッパー 65Fのインプレ:悪かった点
どんなに優れたルアーにも、弱点や苦手なシチュエーションは必ず存在します。ここでは、実際に使っていて感じたデメリットや注意点を正直にレビューします。
これらの弱点を理解した上で使うことで、より効果的なゲーム展開が可能になるはずです。
風に対して極端に弱い
これがトリックアッパー 65Fの最大の弱点と言っても過言ではありません。軽量かつ高浮力なボディ設計のため、風の影響をモロに受けてしまいます。
向かい風の状況ではほとんど飛びませんし、横風が吹くとラインが流されてしまい、ルアーが水面を滑ってしまいます。こうなると、狙ったコースを通すことはおろか、本来のアクション(引き波やダイブ)をさせることすら困難になります。
基本的に「無風〜微風」のコンディション専用機と割り切り、風が強い日は別のルアー(例えばシンキングペンシルなど)を選択するのが賢明です。
アピール力は最低レベル
このルアーは「食わせ」に特化している反面、「寄せる力」は非常に弱いです。広大なオープンエリアから魚を探し出すような、サーチベイトとしての役割は期待できません。
また、濁りが強い状況や、水面が波立っているようなラフなコンディションでは、魚に気づいてもらえないことが多々あります。あくまで「ここに魚がいるはずだ」というピンスポットや、魚の居場所が絞り込めている状況で投入すべきルアーです。
最後の切り札として、食わせの一手として使うのが最も効果的な運用方法でしょう。
タックルセッティングがシビア
「どんなタックルでも投げられる」とは書きましたが、そのポテンシャルを100%引き出すには適切なセッティングが必要です。硬すぎるロッドでは、バイトを弾いてしまったり、操作入力が強すぎてアクションが破綻したりします。
また、ラインの太さや種類にも注意が必要です。太すぎるライン、特に比重の重いフロロカーボンラインを長く使うと、ラインの重みでルアーの頭が下がってしまい、本来の絶妙な引き波が出せなくなります。
基本的にはナイロンラインか、細めのPEラインを使用し、リーダーも長すぎないように調整することをおすすめします。
強度への不安(高浮力の代償)
キビキビとしたアクションと高浮力を実現するために、ボディの肉厚はかなり薄く設計されている印象を受けます。そのため、キャストミスで橋脚や護岸、岩盤などに強くぶつけてしまうと、一般的なルアーよりも破損するリスクが高いです。
割れたりヒビが入ったりすると、浸水して本来のアクションが出せなくなってしまいます。ストラクチャーをタイトに攻める際は、キャスト精度に十分注意し、無理な攻めは控えたほうが無難です。
トリックアッパー 65Fの使い方
このルアーは、ただ巻くだけでも釣れるポテンシャルを持っていますが、アングラーが積極的に操作することでその真価を発揮します。状況や魚の活性に合わせてアクションを使い分けることが、釣果を伸ばすための最大の近道です。
ここでは、トリックアッパー 65Fの性能を100%引き出し、スレた魚に口を使わせるための3つの必勝メソッドを解説します。それぞれの動きをマスターして、フィールドで自在に操ってみてください。
パニックアクション(高速トゥイッチング)
これこそがトリックアッパー 65Fの真骨頂であり、最も爆発力のある使い方です。通常のトップウォータープラグには反応しない魚でも、この予測不能な動きには思わずリアクションバイトしてしまいます。
- 操作方法: ロッドティップを小刻みに、やや速めのテンポで連続して煽ります。
- 動き: 激しく首を振りながら、時折水中にダイブしたり、水面を飛び跳ねたりします。
- 効果: フィッシュイーターに追われてパニックになった小魚をリアルに演出します。
激しいラトル音と不規則な動きが組み合わさることで、魚の捕食スイッチを強制的にオンにすることが可能です。
特に、ボイルが起きているのにルアーに見向きもしない状況や、朝夕のマズメ時など、魚の活性が高いタイミングで最強の武器になります。
基本のドッグウォーク
パニックアクションで反応が得られない場合や、少し落ち着いて魚に見せたい時に有効な基本テクニックです。カップが生み出す甘いポップ音と飛沫(スプラッシュ)で、広範囲の魚に存在をアピールします。
- 操作方法: ロッドを「チョン、チョン」とリズミカルに動かし、糸ふけを巻き取ります。
- 動き: 水面で左右に首を振る、オーソドックスなドッグウォークアクションです。
- 使い所: 魚の居場所が絞れていない時のサーチや、濁りが入っている状況で有効です。
大切なのはリズムです。一定のリズムで動かし続けることで、魚に狙いを定めさせやすくし、ミスバイトを減らすことができます。
波っ気がある時でも、カップが水を噛むおかげでアクションが破綻しにくいのも大きなメリットです。
ストップ&ゴー
アクションさせ続けてもバイトがない時、あるいはチェイスはあるけれど食い切らない時に、決定的な仕事をするのがこのメソッドです。「動」と「静」のメリハリをつけることで、迷っている魚に食いつくタイミングを与えます。
- 操作方法: ドッグウォークやパニックアクションを数回入れた後、ピタッと数秒止めます。
- 重要性: アクションを止めた瞬間の「間」が、魚にとって絶好の捕食チャンスとなります。
トリックアッパー 65Fは立ち姿勢で浮くため、止めた瞬間に水面から顔を出します。この姿勢変化が瀕死の小魚を連想させ、下から見上げているシーバスやクロダイの理性を吹き飛ばします。
ポーズの時間は2〜3秒が目安ですが、状況によっては5秒以上長く待つことで水面が割れることもあります。
トリックアッパー 65Fのインプレまとめ
今回は、ダイワの「トリックアッパー 65F」について、その特徴から具体的な使い方までを詳しく解説してきました。最後に改めて、このルアーがどんなアングラーにおすすめなのかをまとめます。
このルアーは、決して万能な優等生ではありません。風に弱く、アピール力も控えめという明確な弱点を持っています。しかし、「ここに魚がいるのに食わない」というハイプレッシャーな局面において、これほど頼りになるルアーは他にありません。
繊細な引き波、高浮力を活かしたトリックアクション、そして捕食スイッチを入れるパニックアクション。これらの多彩な技を使いこなせば、これまで諦めていた賢い魚を手にすることができるでしょう。
特にシーバスやチニングにおいて、トップウォーターゲームの引き出しを増やしたい方には、自信を持っておすすめできる一本です。ぜひ次回の釣行で、その威力を体感してみてください。


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